富山県の山城・城跡

太閤山陣所

富山県射水市黒河

 天正13年8月、豊臣秀吉が佐々成政を攻めた際、白鳥城に向かう前に一夜陣を張った場所と伝えられる。付近の「太閤山」という地名はこれが由来である。
 陣所跡は比高10m程度の丘だったが、昭和63年の開発により消滅し、パチンコ店の駐車場となった。現在は宅地となっている。残念至極。
 残る記録によれば、高さ五、六尺程度の土塁を周囲にめぐらし、3、40m×20m程度の規模だった模様。開発で消滅する前に発掘調査が行われ、丘の頂部に二重の溝が検出された。溝は幅0.75~1.5m、深さ0.3~0.6m程度と小規模。内側の広さは東西13m、南北17m、外側は東西27m、南北24m程度。内側の溝から15世紀の中世土師器、外側の溝から16世紀以降の火縄銃の鉛玉1つが出土した。
 外側の溝は、北側で4m程度途切れており、おそらくは陣の虎口だったのだろう。

(参考文献:小杉町誌)


太閤山陣所跡 位置

太閤山陣所図
太閤山陣所図(『富山県中世城館遺跡総合調査報告書』より引用)

太閤山陣所跡
消滅前の太閤山陣所跡(『小杉町誌』より引用)

太閤山陣跡
発掘調査による溝跡(『小杉町誌』より引用)